2011年 04月 21日
東日本大震災、福島第1原子力発電所の事故で、日本の食卓が脅かされています。 魚、野菜、コメ……日本の“食料基地”東北地方を襲った天災、人災の影響は計り 知れません。 日経ビジネス4月18日号の特集で取り上げたのは「食の危機」。私たちの食卓は どう変わってしまうのか、日本は今後食料問題にどう対峙していくべきなのか、総 力を挙げて取材しました。 私事で恐縮ですが、生まれてこのかたスーパーでワカメを買ったことがありませ んでした。親の実家は三陸地方。ワカメやホタテの養殖を生業としており、いつも 送ってもらっていたからです。複雑に入り組んだリアス式海岸は天然の良港で、被 災地域県の養殖ワカメのシェアは79%。豊かな海の恵みを、当たり前のように享受 してきました。 しかしながら、あの日を境にすべてが変わってしまいました。142カ所あった宮 城県の漁港はほぼ壊滅。これから当分の間、私たちの食卓に上るワカメは、ほとん どが外国産になってしまうでしょう。 震災と原発事故は、企業が参入している農業ビジネスにも甚大な影響を与えてい ます。 カゴメが立ち上げた、福島県いわき市にある「いわき小名浜菜園」。30億円を投 資した、東京ドーム2個分という日本最大級の液肥菜園です。 1年中収穫ができ、いつも大小様々なトマトが鈴なりに実っているはずの同菜園 。ところが4月に訪れると、そこにあったのは「死にゆくトマト」の姿。葉はしお れ、茎は無残に折れ曲がり、収穫されるはずだったトマトの実だけが哀しく残され ていました。 トマトの栽培をあきらめた直接の理由は「風評」。買い手がつかず、断腸の思い でハウスの半分、計5ヘクタールの水を止めたそうです。 水を絶たれたトマトが、懸命に生きようとしていたのでしょうか。1つつまんで 食べると、果実のような甘さが口いっぱいに広がりました。「出荷先があれば助け られたのに……」と、枯れたトマトの苗を見つめる社長の後ろ姿が、脳裏から離れ ません。 農家から企業まで、例外なく降り注ぐ震災の惨禍。しかしながら、その爪痕の大 きさに圧倒されているだけでは、何も始まりません。 頓挫してしまった農政をどう立て直せばいいのか、東北で失われた農地をどう再 生していくべきなのか。本誌では、農林漁業復興のための「農林漁業再生5条件」 を提案しました。私たちの豊かな食卓を守るために、残された時間はそう長くはあ りません。
by the-road-of-japan
| 2011-04-21 08:46
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