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NPO法人  motherboard 2011「日本の道」

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2011年 04月 08日

山元町・斎藤俊夫町長/河北新報のニュースサイト・コルネットより転載

◎全町民で痛み共有を
 ―仙台湾に面した国道6号の東側が津波で壊滅的な被害を受けた。
<浸水面積60%超>
 「海岸線から1.5キロの範囲で建物が流失、6号沿線では床上2メー
トル程度まで水没した。可住地域に対する浸水面積の割合は60%を
超え県内で最も高い。町内約5500世帯のうち、主に浜通りの6行政
区と丘通りの2行政区の2500世帯計7500人に避難指示を出した。
イチゴのビニールハウスやホッキ貝で有名な磯浜漁港も津波に直撃さ
れ、被害は甚大だ」
 ―震災発生から3週間以上が経過し、避難指示の解除が遅いと指摘
する住民も多い。
 「町民の安全安心を担保してきた防波堤が広い範囲で決壊した。地
震で地盤が沈下し、高潮や台風でも浸水が広がる可能性がある。防潮林の松林も多くが津波で流さ
れ、海が近くなったように感じる。恐怖感すらある」
 「県は、7月ごろを目標に防波堤の仮復旧を進めると聞いている。安全対策を施さずに避難指示を
解除できない。その時期までに水道や電気といったライフラインも復旧させる。行方不明者捜索の進
行状況をにらみ、がれきの撤去も急ぎたい」
 ―県職員時代、初代の県危機管理監を務めた。
 「宮城県沖地震の発生を想定した防災対策に取り組んできたが、今回は想定をはるかに上回る大
災害だった。想定では山元町は死者ゼロ。津波も数十センチどまりだった」
 「震災発生の当日は7000人近い住民が避難所に身を寄せたため、速やかな避難所開設や資機材
の確保に努めた。いずれ国や他自治体から支援が届くと信じ、2、3日間をしのぐことを念頭にスター
トした」
 ―今後のまちづくりは大きく見直しが求められるのでは。
<土地利用に工夫>
 「次期総合計画の策定作業が大詰めで、町議会6月定例会で議決をもらう予定だった。が、マイナス
から再スタートしなければならない。22の行政区を単位とした従来のまちづくりが持続可能かどうか、
大きな視点で考え直さないと。地域分散型はコストが増す。コンパクトシティーの発想を取り入れなが
ら、土地利用を一部制約するなど工夫が必要だ。市町を超えた県南沿岸部の今後の土地利用のマス
タープラン(基本計画)を示すなど、県にはリーダーシップを発揮してもらいたい」
 ―町民へのメッセージを。
 「全町民が問題意識を共有し、痛みを分かち合うことから始めなければならない。町としては個人の
事情を大切にしながらも、町全体として何を優先するかしっかり見極めたい。新しいまちづくりには忍
耐強さや我慢強さ、大局観が欠かせない」(聞き手は佐々木篤)
◆死者177人/不明15人
 主な被害状況(7日現在) 死者177人、行方不明者15人。避難者は10カ所に1664人。水道、電
気とも復旧率は9割を超えたが、県道仙台塩釜線(産業道路)以南で回復していない地域がある。
2011年04月08日金曜日

by the-road-of-japan | 2011-04-08 09:49 | ♦被災市町村長のメッセージ


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