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NPO法人  motherboard 2011「日本の道」

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2011年 04月 03日

渡辺政利/菅内閣の提案に対して

少し思いつきですが、このところ
考えていたことを発信してみたいと思います。それは、避難と減災に関することです。

政府は復興のまちづくりに当たって山を削って住宅地を高台に移すことを言い出していま
す。
しかしその案だけでは津波に安全ではあってもその地域の自然的条件や生産と結びつ
いた日常の営みが継続できない可能性がありそうに思います。
今日まで防災という観点から弱点はあっても低地に人々が住み続けてきたのは、そこに住みやすそうな平らの土地があったということだけではなかったと思います。
漁業や農業など生活の糧を得るという生産的な営みがあったからこそそこに住み続けてきたことは否定できません。
このことは今後でも同じことだと思います。
そこで今後のことを考えた計画にとって大切なことは、今までの土地に住みながらいざというときに安全に避難ができると言うことが現実的ではないかと思います。
1.私は、「まちの中に高台を作る」と言うことがよいのではないかと思います。
この高台はコンクリートではなく津波にも耐えられるように補強した土盛りの人工的な丘です。
この丘はいつでも住宅や人々の活動場所のすぐ近くにあって、容易に登ることができ時には人々の憩いの場であったり散歩の場所であったりします。
今回の経験では、高台が近くにあった人たちは、自力で(徒歩で)避難できて助かった。
しかし、車で逃げようとした人たちは、渋滞にあって車ごと流されてかなりの方が被災したように思います。
もちろん小さな子供や、高齢者など避難困難な人は車で逃げるのがよいのですが、健常な人は徒歩で
逃げれば、渋滞も減って、避難が容易になるはずです。
避難場所は、日常生活の中に溶け込んでいて、誰でもが、いざの時に自然に思い出せるようにしておくことが大切だと思います。
この丘は、土地造成のために削った山の土を使って作ります。
できれば、この丘から近く
の山まで橋を架けておくのもよいかもしれません。

2.つぎに、待ちを階段状に作るのがよいのではないかと思います。
今回の津波は超巨大でしたが、これより小さな津波はたびたび襲来します。
その上にリアス式海岸であるために津波は増幅されます。
そのために比較的小さな津波によっても平地のままでは大きな被害となります。
そこで、海や川側から階段状に土地を造成して小規模な津波に対して減災できる構造とするのがよいと思うのです。
避難は低い階段状の上まで逃げればよいと言うことになりませんので、1.の高台と組み合わせて造成します。
たとえば最下段は漁業や農業関連、次の段は商工業と中層住宅、最上段は学校・病院・高齢者・保育園など避難困難施設、公共施設と低層住宅などを配置します。
具体的に何を配置するかは実情に合わせて検討です。
1.の高台は、この最上段を兼ねてもよいのですが、その地域の形状や造成費用があまりにも過大にならない規模などからも検討が必要です。

3.上の計画では既存の土地を一定使いますので、その土地を生み出すために山を削った
土地への移住と可能ならば住宅の共同化も進めます。

以上が私の考えていたことです。実現性という観点から有効な提案になるかどうかわかり
ませんが発信したいと思います。

■丸谷のコメント
ご意見ありがとうございます。
基本的には賛成です。
私が考えていることの中に、
堤防のように真正面から守ると大きな衝撃力がかかります。そうではなく、波と波の力をぶつけあわせたり、重力によって減衰するように上向きに舞い上がらせたりする。また、より高い位置にある安全居住地帯とは小さなトンネルでつなぎ、そこで津波のエネルギーを減衰するなど、いろいろイメージしています。

by the-road-of-japan | 2011-04-03 18:40 | ☆復興全体像への提言


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