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2011年 03月 29日

がれき処理、100%国費で負担

がれき処理、100%国費で負担 松本防災相が正式表明    2011年3月29日13時49分

 松本龍防災担当相は29日午前の閣議後記者会見で、東日本大震災の被災地のがれき処理にかかる費用の全額を国が負担する方針を正式に発表した。

 被災市町村の税収などに応じて、がれき処理費に対する国の補助率を最高で9割弱まで引き上げる特例措置を実施。さらに残りの部分についても全額を交付税で補う。結果的に自治体負担はゼロとなる仕組みだ。

 1995年の阪神大震災では、国庫補助と交付税で処理費用の97.5%を国が負担した。今回の震災では、がれき処理にかかる総額は阪神大震災時の約3200億円を大きく上回るとみられている。このため、菅政権は、さらに手厚い対応が必要だと判断した
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by the-road-of-japan | 2011-03-29 22:39 | ♩公費解体・応急修理
2011年 03月 01日

黒田達雄「応急仮設住宅はどうつくるべきか」

      応急仮設住宅はどうつくるべきか
阪神大震災仮設住宅の教訓と課題
1.仮設タイプと各々の特徴
 阪神大震災では、公的応急仮設住宅一辺倒では被災市街地内での建設は量的質的に不可能なことは、既に「大震災100の教訓」(塩崎賢明他編2002クリエイツかもがわ)で述べたが、少ない事例ながら他のタイプもあるので、各々のハード面での特徴を紹介しておく。
最初に「一般型公的仮設住宅」だが、その専用部分は、8坪(26.4㎡)、4.5帖2間、台所、風呂、便所で構成、全て2Kの同一タイプ。建設費280万円(解体共360万円・県の発表)、立地は神戸市内激震6区内の全壊・全焼戸数120,069に対して同区内にわずか5,161戸(6.8%)、他は遠い被災地郊外や離島に建設。居住性能は、断熱性・遮音性に劣り、庇、エアコン、スロープも無く、洗濯機置場も戸外(後に庇、エアコン、スロープ設置)で、共用部分も雨水排水不備、外灯無し。被災者のケア的集会所もなかった。
 次に「ケア付公的仮設住宅」は、芦屋56戸、尼崎48戸、西宮163戸、宝塚27戸、計294戸供給され、1棟10~14室からなる。専用部分は、6帖1間+押入+便所。共用部分に台所、居間・食堂、浴場、生活援助員24時間常駐のスタッフルーム6帖が隣接、要援護者の介護や緊急時の対応だけでなく情報提供や生活相談がされた。児玉善郎氏(当時日本福祉大助教授)の調査によれば、その満足度は70%で、24時間常駐に安心と高く評価された。
似たタイプの「地域型公的仮設住宅」は、神戸市で1500戸供給、1棟8~24室。専用部分は、1間+押入(単身用4.5帖、2人用6帖)で、台所、浴室、便所まで共用。支援体制は50室に一人の生活援助員で9時~17時まで、相談室50戸毎で、同調査によればその満足度39.6%であった。
 更に民間賃貸住宅空家の借上げは、139戸と少なかったが、ハード面の居住性能は不明だが、用地難対策として有効に働いた。
 最後に特筆すべきは「自力仮設住宅」で、塩崎賢明神戸大教授の調査によれば、神戸市内で住居系3551棟3859戸が自費で建てられた。規模は60㎡以下が過半数、店舗・工場併用の100㎡以上も1割近くある。費用は約半数が800万円未満、構造タイプはコンテナハウス、スーパーハウス、モービルハウス、プレハブなど多様である。自己所有地に建設することで人がまちに住み地域も活性化する、住宅復興は勿論、まちの復興への早道でもある。
2.公的仮設住宅の入居条件と供給戸数
 災害救助法の入居条件は、住家が全壊・全焼などで継続的に生活できない者に限定しており、罹災証明書の根拠となる被害認定の不適切さが問題になった。新潟中越沖地震でも同様(特に柏崎市)、仮設住宅入居に被害認定が大きなウエイトを占めた。また供給戸数は、全壊・全焼世帯数191,523だが、県防災部は居住不能世帯数130,236と置き換え、それに対して供給数48,300戸(37%)とした。そして高齢者優先入居も急を要したが、遠い郊外に敷地を求めた完成団地順に応募し、絶対的に少ない供給数のために、仮設入居完了まで10ヶ月要し、被災地域住民はバラバラにされた。
3.公的仮設住宅の用地確保と立地
 当時行政は、復興再開発や区画整理事業区域の用地は積極的に買ったが、自己所有地に複数の仮設建設の要望など住民の協力を受け入れず、結果、地域コミュニティ維持よりも都市計画事業を優先した。
 神戸市内激震6区では5,161戸供給されたが、全壊・全焼戸数120,069戸に対し4.3%、当局の言う居住不能戸数76,078戸に対しても6.8%でしかなく、90数%の被災者が臨海部の“離島”や遠い郊外に追いやられた。特に高齢者等の優先入居は、隣人関係の相互扶助や「医・職・住」といった地域に潜在するソーシャルケアを寸断し、要援護者を阻害してしまった。
4.仮設住宅での支援体制、特に要援護者への支援
 数ヶ月経ってようやく「ふれあいセンター」が設置・運営された。当初100戸以上の団地で、後に50戸以上の団地に設置され、被災者の交流の場(ふれあい喫茶)、ボランティアの拠点、安否確認、診療所、相談所、生活情報提供などが取り組まれ、最大232ヵ所となった。
 地震発生から全入居者仮設住宅退去まで丸5年(H12年1月14日)かかり、その間、仮設住宅での孤独死は233人に及んだ。
他の災害における仮設住宅の特徴
雲仙普賢岳噴火災害(91年6月)の仮設住宅は、1K、2K、3Kの型別供給(約7割2K、平均29.16㎡約9坪)で、風呂、便所、クーラー・テレビ・冷蔵庫・洗濯機などの機器も設置され、コスト460万円。立地は被災地近隣に建設され、優先入居枠もなく、隣人関係維持も配慮された。
 奥尻島地震(93年7月)も、1K、2K、3Kの型別供給(約6割が2K、平均28.08㎡約9坪弱)で、風呂、便所、冷蔵庫・洗濯機も設置、外壁2重、コスト328万円。要援護者を優先入居したが全て島内に建設された。
台湾(99年9月)では、6人家族が多いことを配慮して12坪とし、団地内には診療所、ディケア、スーパー、パン工場なども有る。
        新潟中越地震(04年10月)も、1K、2K、3Kの型別供給でかつ豪雪地仕様(耐雪2m、天井裏断熱材100mm)、エアコン1台、洗濯機置場内部、コスト400~500万円(解体費含む)。それでも多くが結露に悩まされたが、一部木質系仮設も建設され、そこでは結露していない。ペットとの同居許可や生きがいづくりの農園も整備され、集落毎の入居や当初からのディケアセンターの設置・運営もあって、コミュニティ機能を発揮したという。また民有地での仮設許可(川口市6戸)や福祉仮設住宅も設置された。
 能登半島地震(07年3月)も、1K、2K、3Kの型別供給で、高齢者による火災発生対応としてIH(電磁調理器)が初めて設置された。ここも当初から「ふれあいセンター」が設置され、バリアフリーも対応したが、駐車場等の砂利舗装で乳母車曳けない苦情が出た。
今後の仮設住宅のあり方
1.東京の「時限的市街地構想」(97年「都市復興マニュアル」より)
 阪神大震災に学んだ東京都は、当初「仮設市街地構想」(暫定的な生活の場として被災市街地に形成される応急仮設住宅、自力仮設住宅、仮設店舗・事務所及び残存する利用可能な建築物からなる市街地)を掲げた。次いで厚生省も、大量かつ迅速な設置が困難な最大の理由は、市街地での従前居住地の近隣に適当な用地確保は困難として、被災民有地の暫定借上制度、自己敷地への設置等の具体的提案をした。その後、都は一歩進めて仮設市街地を「時限的市街地」に名称変更し、都市計画法による期間限定の「一団地の住宅建設」(用地収用可能)とし、その区域を“都市計画決定”するとしたが、それは法改正を必要とし、国との協議でそこまでの合意は得られていない。
 進め方は、避難所から地域復興協議会の産声を上げてもらい、立ち上がった地区を「協働復興地区」と指定、その地区に「時限的市街地づくりと復興まちづくり計画」への多面的支援を行う。公有地の活用は当然、被災民有地を復興協議会が使用できる便宜を図り、借地料補助や協議会発注のコミュニティ仮設住宅等の仮設建築物づくりを支援する。この一時使用方式は神戸市長田区久二塚地区で有名になった仮設店舗パラールの実例による。  
2.生活の長期拠点としての仮設住宅のあり方
被害規模に比例して仮設住宅生活も長期化するが、最大の問題は用地確保で、民有地・自己所有地への公的仮設を許可し、使える建物は何でも利用すべきだ。被災地内または近隣での用地確保、公有地の活用、被災民有地の暫定借上げ制度も必要である。
住戸タイプは、1K、2K、3Kなど型別供給を原則とし、ケア付仮設や店舗なども併存させるべきである。供給は公的仮設に限らず、民間賃貸住宅借上げなど選択肢を広げ、特に自力仮設住宅への公的支援は、応急公的仮設住宅の軽減だけでなく、住宅復興へのもう一つの近道でもある。
 また、当初1DKほどの仮設住宅を後に恒久住宅に増改築することも技術的に可能で、解体撤去費の節減になる。更に若干費用が割増になるが、切り妻屋根型とし、ロフト利用で収納スペースや子供部屋などに利用し、面積狭少を解消することも提案したい。
入居条件では、要援護者の優先入居も必要だが、地域コミュニティの維持・継続のためには地区・集落毎の入居を優先すべきだ。山古志村では、当初ヘリで救出された順に入居したが、その後集落毎に住み替えると、たちまち入居者が元気になり、帰村率も高まったことはそのことを実証した。
管理・運営体制として、集会所「ふれあいセンター」設置と支援者の継続的常駐は当初から必要で、50戸規模以上でなく必要に応じて設置すべきである。各種ボランティアの活動拠点、被災者の交流・介護・生活相談、情報提供、診療所等は、被災者を孤独死させない最も効果ある支援である。
 以上から仮設住宅団地モデルゾーニングを下図で提案する。(黒田達雄)


3.災害救助法による仮設住宅供与基準は妥当か
建設コスト:
阪神大震災当時・戸当り26.4㎡(8坪)、費用1,447,000円以内、
 2000年3月      29.7㎡(9坪)、費用2,342,000円以内
2004年        29.7㎡(9坪)、費用2,433,000円以内
2007年        29.7㎡(9坪)、費用2,326,000円以内
入居基準:被害認定に大きく左右される。応急救助の性格として、被害認定に関わりなく、自宅で継続的に生活できない者全てに供給すべき。
集会所設置基準:50戸以上の団地は、散在する自力仮設生活者などのケアや情報提供・相談に対応できない。2~5の小規模団地を包含した集会所など、柔軟性が求められる。
福祉仮設住宅:新たに制度化(災害救助法)されたが、要援護者のニーズにあったハード・ソフト面の対応が可能かどうか、その実現性に欠ける。
自治体の独自性:新潟県などに見られる独自の上乗せや仕組みをシステム化すべき。
被災者生活再建支援法改正:全壊300万円が支給されることから、必ずしも僻地などの仮設住宅建設に拘ることなく、被災者の選択に応じた支援をすべき。

 憲法の保障する「健康で文化的な最低限度の生活」が権利として、誰もが当然受けられるための体制整備が行政に求められる。一方、そうした厳しい状況にあっても、少しでもお互いが前向きに支えあっていける平時からの地域コミュニティの創造が、地域社会にも求められている。
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by the-road-of-japan | 2011-03-01 08:20 | ♩公費解体・応急修理