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2011年 04月 10日

兵庫県震災復興研究センター/「東日本大震災 被災自治体支援強化、災害救助、義援金に関する第2次提言」

2011年4月10日

緊急災害対策本部      本部長  :菅 直人内閣総理大臣
被災者生活支援特別対策本部 本部長  :松本 龍防災担当大臣
    同         本部長代理:片山善博総務大臣
    同         副本部長 :仙谷由人官房副長官
各党・政府震災対策合同会議参加の国会議員各位
全国の都道府県知事・市町村長各位

「東日本大震災
被災自治体支援強化、災害救助、義援金に関する第2次提言」
の提出について


この度の東日本大震災〔3月11日(金)午後2時46分発災、マグニチュード9.0〕の犠牲者のご冥福をお祈りしますとともに、被災地と被災者のみなさま方に心からお見舞いを申し上げます。そして、一日も早い救援・復旧・復興を願う次第です。
阪神・淡路大震災の被災地からも早速、救援活動が開始されています。16年前の阪神・淡路大震災以来、調査・研究、政策提言を積み重ねてきました兵庫県震災復興研究センターは本日(4月10日)、別紙の通り「東日本大震災 被災自治体支援強化、災害救助、義援金に関する第2次提言」をまとめましたので、提出致します。
つきましては、3月22日(火)に提出しました「東日本大震災の被災者救済、避難・仮設居住に関する第1次提言」と合わせて本提言の速やかな実現につき、ご検討をお願い申し上げます。

               兵庫県震災復興研究センター
代表理事 塩崎 賢明(神戸大学大学院工学研究科教授)
代表理事 西川 榮一(神戸商船大学名誉教授)
事務局長 出口 俊一(阪南大学講師)
                  
2011年4月10日
東日本大震災
被災自治体支援強化、災害救助、義援金に関する第2次提言

兵庫県震災復興研究センター

東日本大震災から1か月、なお人命救助や捜索、安否確認などの緊急対応に直面していますが、同時に避難、住まい、生活、仕事、医療・教育など被災者救済の課題が大きくなって加わってきています。地元自治体は自らも被災して大きく力を削がれる中、いくつもの重い課題が山積し、業務は限界を超える過酷なものになってきています。
すでに震災関連死(3月23日現在、37人)など無念な2次被害も生じ、「政府の視線は当初から原発事故や首都圏の停電に向き、被災者支援はないがしろにされた。その間に寒い避難所や施設で高齢者らが次々に力尽きた」(「神戸新聞」2011年3月28日付)との指摘もなされる状況になっています。
かかる事態を切り抜け被災者救済がより効果的に進められることを願って、以下の項目につき、国および被災自治体を含む全国の自治体・関係機関に強く要望致します。

―記―

1.被災自治体への支援の強化
被災自治体の首長・職員の方々は、心身ともに極限状態におかれていることを踏まえて、国と全国の自治体は一層の応援を強めなければならない。

(1)政府は、被災自治体の行政ニーズに応じた業務に経験があり堪能な職員の派遣を政府主導で早急に実施するため、過去に被災経験のある自治体に依頼し、政府の責任と主導のもとで、実務経験のある職員を都道府県・市町村職員の中から選抜し、チームを作って被災自治体へ長期派遣(1週間交代ではあまりに短い)を急ぐこと。
特に、被災自治体の喫緊の課題は下記の通りである。

①被災者への各種の救済措置を実行する上で「家屋被害認定業務」の速やかな実施が不可欠であ
り、その推進のために大量の職員を全国から被災自治体に派遣すること。

②災害救助法等の運用に係る行政事務の早期処理。
例えば、仮設住宅建設が急がれているが、実際には必要とされる速度で実現していない。「必要
戸数の把握」や「土地の選定と確保」には多くの困難を伴い、少ない人員のもとで進展が遅れ
ている。それらの業務支援にも職員を派遣すること。
2.災害救助法の正当な運用と徹底活用
避難者に対する対応は主として災害救助法に基づいて行われているが、今回の災害では同法を相当程度弾力的に運用する必要がある。同法は救助方法に何ら限定を付しておらず、かつ、救助の責務は地方自治体にあるのであるから、応急仮設住宅の供給や応急修理等に無資力要件を付加する等の国の運用基準(厚生省告示第144号「災害救助法による救助の程度、方法及び期間並びに実費弁償の基準」平成12年3月31日付に定める国庫負担基準。以下「一般基準」という)に過度にとらわれず、被災者を救う必要があれば積極的に救助措置を行うよう、より一層、周知徹底を被災自治体に図ることが必要である。
今回の災害では、被災市町村の行政機能そのものが大きな打撃を受けており、その機能も著しく低下している。大震災後、厚生労働省から災害救助法に基づく災害救助基準の特別基準の設定に関する通知がいくつか発出されているが、今般の甚大な被害に鑑み厚生労働大臣との協議・同意を要しない一般基準に適宜格上げする等、被災市町村の行政事務処理状況等にも鑑み大幅な事務負担の軽減(例えば、災害救助費算定に係る提出書類の削減等)を図ることが必要である。

(1)農林漁業、商工業者などは仕事がなくなれば収入が途絶える。仕事の再開まで文字通り生業支
 援のため、例えば、標準3人世帯(夫婦30代)で月額最低20万円程度の「災害保護」を実施
すること。または、生活保護制度ではなく「緊急災害保障」を実施すること。
災害救助法には、該当条項の運用停止は規定されていない。災害救助法第23条(救助の種類)
1項7号の「生業に必要な資金、器具又は資料の給与又は貸与」や2項の「都道府県の知事が必
要であると認めた場合においては、・・・金銭を支給してこれをなすことができる」との規定があ
り、法律上、現金支給による救助が可能であるにもかかわらず、その運用においては、現物支給
による救助のみが行われている。これを法文通りの運用に改め、特に、生活必需品の入手が比較
的容易な県外避難者などに対する救助については、現金支給を原則とすること。

(2)避難所の劣悪な環境を改善すること。避難所の状況等をみると、人権が著しく阻害されている
状況が散見されるので、パーティションを設置する等避難者のプライバシー等に配慮した対策を
早急に講ずること。また、健康を害して高齢者や患者が亡くなる例が相次いでいる。避難所の環
境そのものを一刻も早く改善するとともに、高齢者や慢性疾患等の患者に対する特別の支援措置
(衛生面で安全な施設への一時避難、福祉避難所の増設等を含む)を講じ、医師・看護師の長期
にわたるケア体制の確立が急務であり、全国からの医療スタッフの派遣体制を強化する等あらゆ
る改善措置を徹底すること。

(3)住宅の応急修理費について一般基準では、支給対象を半壊・半焼に限定している。全壊であっ
ても修理をして住みたいという人については、応急仮設住宅建設経費の2分の1までの経費につ
いて特別基準で認める等の特別措置を実施すること。これは、応急仮設住宅建設経費削減にもつ
ながることである。


(4)応急仮設住宅の提供等に関連して、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震等の教訓を生かして孤
立や孤独死が生じないように、コミュニティに配慮した対応をすること。また、立地については、
早期復興に資するよう従前居住地に近いところに置く必要がある。そこで、①プレハブの応急仮
設住宅の建設、②公営住宅の利用、③公私の施設の活用、④民間賃貸住宅の借り上げの積極的利
用に止まることなく、⑤建物の応急修理を広範かつ弾力的に認め、⑥被災者が自らの敷地内に自
力で仮設する建築物に対して、応急仮設住宅建築費と同程度の助成を行うなど様々な措置を講じ
て、応急的な住宅確保にかかる多様なバリエーションを認めること。

3.義援金の配分
4月8日、「義援金配分割合決定委員会」(会長=堀田力・さわやか福祉財団理事長)はようやく、
これまで寄せられた1284億円の第1次配分(約500億円)を以下のように決定した。
①死亡・行方不明者:1人あたり35万円
  ②住宅の全壊、全焼:1戸あたり35万円
  ③住宅の半壊、半焼:1戸あたり18万円
  ④福島第一原発の避難指示・屋内退避区域(30キロ圏内)
:1世帯あたり35万円
  しかし、これでは被害認定業務が必要になり、実際に被災者のもとに義援金が届くのは、何時のことになるかわからない。解決すべき課題は、以下の2点である。

 (1)第1次配分は見舞金として、できるだけ早く被災者に届けるべきであることから、全壊と半
壊に17万円の差を設けることを止め、被害認定にリンクさせず「一律性」を重視して、同額
にすること。また、一部破損世帯にも支給すること。支給にあたっては、①自主申告、②住所
の確認、③本人確認などで行うこと。

(2)配分にあたって、市町村の職員の手が足りないことは明らかであるので、厚生労働省や日本
赤十字は、自らの職員を派遣するとともに全国の自治体に義援金配分の業務経験者を派遣する
ことを強く要請すること。
                                      以 上
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by the-road-of-japan | 2011-04-10 23:20 | 兵庫県震災復興研究センター
2011年 03月 22日

兵庫県震災復興研究センター「東日本大震災の被災者救済、避難・仮設居住に関する第1次提言」

緊急災害対策本部      本部長  :菅 直人内閣総理大臣
被災者生活支援特別対策本部 本部長  :松本 龍防災担当大臣
    同         本部長代理:片山善博総務大臣
    同         副本部長 :仙谷由人官房副長官
各党・政府震災対策合同会議参加の国会議員各位
被災自治体の知事・市町村長各位

2011年3月22日東日本大震災の被災者救済、避難・仮設居住に関する第1次提言
兵庫県震災復興研究センター

東日本大震災はなお人命救助や捜索、安否確認などの緊急対応に直面していますが、同時に一命を取り留めた被災者の救済が大きな課題となっており、これに的確に対処しなければ、2次的被害を招きかねない局面にあります。
現時点で被災者救済のために特に急がなければならない課題として、第1次提言として以下の諸点を国および被災自治体・関係機関に強く要望致します。引き続き、第2次提言をまとめていく予定です。

―記―

1.災害救助法の正当な運用と徹底活用
(1)国は、災害救助法を制限的に解する従来の運用を改め、同法を徹底活用し、絶望の
淵にいる被災者に希望を与えなければならない。
同法第23条1・2・3項(救助の種類)に規定されている各種の救助をすべて実
施すること。国は従来、1項7号の「生業に必要な資金、器具又は資料の給与又は貸
与」や2項の「都道府県の知事が必要であると認めた場合においては、・・・金銭を支
給してこれをなすことができる」を棚上げして活用しないようにしてきたが、法文通
り実施すること。
(2)今回、「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に係る災害救助法の弾力運
  用について」(厚生労働省社会・援護局総務課長通知、平成23年3月19日付)が都
道府県の災害救助担当主管部(局)長宛に出されたが、同通知の周知徹底を図ること。
(3)被災自治体は、災害救助法の趣旨に則り被災者の要望に応えるべく、救助の種類を
すべて実施すること。

2.被災者生活再建支援法の適用改善・改正
(1)被災者生活再建支援法は現在、住家が全壊あるいは大規模半壊した場合(及び長期
避難者)にしか支給されない。半壊の住家には全く支給がない。しかし、被災者の住
家が全壊であれ半壊であれ、生活に多大な支障を来たすことには変わりはない。また、
半壊と大規模半壊の区別は微妙であり、わずかな差で全く支給がないということは被
災者としては納得し難い。よって、被災者生活再建支援法の適用範囲を半壊にまで拡
げること。
(2)現行の支給額は300万円を上限としているが、これだけでは到底住宅再建は不可
能であるから、上限額の引き上げを検討すること。

3.災害弔慰金法の適用改善・改正
(1)「死亡見舞金」の500万円(世帯主)の支給を急ぐこと。
(2)「災害障害見舞金」の支給を急ぐとともに、支給対象の障害基準を緩和すること。
(3)被災者生活再建支援法と同様に、年収要件を撤廃すること。
(4)「災害援護資金」の限度額350万円の貸付(現行は利子3%、5年据置で10年償
還)利子3%を撤廃し、同資金を給付にすること。

4.義援金の配分
日本赤十字に現在、全国および諸外国から届けられている義援金は「迅速・透明・公平」の3原則(日本赤十字社『義援金取扱いのガイドライン』、平成10年7月)に則って逐次、被災者に速やかに届くようにすること。
義援金の配分・運用が滞り、実質的に被災者の救済に役立たないようなことがあって
はならず、そのための体制・仕組みを早急に確立すること。

5-1.避難-被災地-
(1)被災者の生命・健康を守り、避難所での生活を人間的なものとするために、
①十分な食料、医薬品などの物資の補給を至急大規模に行うこと。
②人間の尊厳を守り快適な生活を送れるように、寒さを防ぐ断熱材やプライバシーを確保するパーテーションなど必要な設備を大至急整えること。
(2)被災者が必要な情報を的確・迅速に得られるよう、電波受信基地やインターネットのアクセスポイント等必要な通信設備を至急整備すること。
(3)高齢者、病弱者など要援護者をはじめ一般の被災者へのケアを行えるよう「福祉避
難所」を速やかに拡充すること。
(4)近隣の公共宿泊施設や民間の旅館・ホテルを借り上げ、すし詰め状態を解消するこ
と。
(5)複眼的・複層的なモニタリングを行い、避難所での生活実態を迅速に把握し、的確に対処すること。
(6)避難所に指定されていない社寺や個人宅の被災者にも弁当などの物資を配ること。

5-2.避難-県外-
(1)3月22日現在、全国各地に展開する3万人に上るとみられる県外避難者に対して、今後の復興に関する情報(仮設住宅や復興住宅、義援金等)が県内避難者と同等に行き届くようにすること。
(2)県外避難者については、個々人についての「被災者カルテ」を作成し、受け入れ自治体(都道府県・市町村)との間で緊密な連携を取り、絶えず情報の隙間ができないように配慮すること。
(3)公営住宅等の空き住戸を活用して被災者を受け入れた自治体は、自らの都合で被災者を追い出すことがないようにすること。

6.仮設居住
(1)応急仮設住宅の建設は急がれるが、立地に当たってはなるべく被災者の従前居住地の近くで、安全な場所に建設すること。
(2)応急仮設住宅の入居にあたっては、機械的な抽選によるのではなく、被災者が地域ごとにまとまって住み、互いに励まし合い、復興の相談などができるように配慮すること。
(3)仮設居住については、応急仮設住宅だけに依存するのではなく、民間賃貸住宅や空き家の借り上げが可能とされ、1戸あたり月額6万円などの国庫負担基準が示されているが、前例にとらわれず、費用・支給期間を実態に即したものとすること。
(4)被災者が避難および仮設居住のために、自ら仮設的住宅等を建設する場合には、災害救助法第23条2項の活用などにより、その費用を国庫負担の対象とすること。

7.災害廃棄物
  政府は、関係法令をまとめてガイドラインを近く打ち出す方針であるが、衛生、安全、
環境で2次被害を起こさない迅速な処理処分のために、以下のことを盛り込むこと。
(1)分別作業などの要件を備えた仮置き場が鍵であるので、その確保を急ぐこと。
(2)自治体だけでは困難であるので、全国産廃連合会など専門業務の協力を得て計画的
に進めること。
(3)廃棄物として処理処分するには所有者の承認などを要する被災物も大量であるが、
そのような手続きにこだわらず、被災実態に即した柔軟な対応が必要であること。
(4)国庫補助率や対象業務範囲を柔軟に取り扱い、安全、円滑な処理処分条件を整える
こと。
(5)船舶類は、処理処分方針の所有者との協議、専門業者との解体撤去処理処分の契約を急ぐこと。
(6)原発災害の放射性廃棄物、環境へ放出された放射性排出物の浄化のための態勢準備を急ぐこと。
(7)常態化しつつある災害廃棄物の発生に備えて、被災自治体を支援する専門機関として常設の「災害廃棄物緊急対応センター」(仮称)の設置を検討すること。
 以 上
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by the-road-of-japan | 2011-03-22 08:12 | 兵庫県震災復興研究センター