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カテゴリ:※原発・被曝について( 10 )


2014年 04月 09日

「米と発電の二毛作」 

「米と発電の二毛作」  著者・福永博 普及係・丸谷博男

「原発即ゼロ」やればできる 絵空事ではない建築家の答え
NPO法人「matherboard2011日本の道」のコンビが日本に提案する明日の農業です。

原子力に替わり、日本の総発電量の30%を太陽光で賄う。
そのシナリオは、シルバータウンのまちづくりから始まります。「働・学・遊」のコンセプトでつくる、高齢者が住みやすい街。そこではシルバーが1日4時間、太陽光発電の仕事に従事し、収入を得て自立します。
そして、日本の水田の30%をつかった「米と発電の二毛作」でさらに大きなエネルギーをつくり出し、燃料コストの問題も解消します。
本書は、「福祉」と「貿易」の2つの赤字を食い止め、日本を元気にする、壮大かつ具体的な計画の提案書です。
実施は、この秋から始めます。この春から佐賀県の三ツ瀬で公開農場を作ります。発電パネル、電力会社も基本的に協力を約束していただいています。
とにかく、農地は水平です。最もコストがかからない発電農場に変身します。softbank孫さんも「いいね」と言ってくださっています。
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by the-road-of-japan | 2014-04-09 17:08 | ※原発・被曝について
2011年 04月 21日

【解説・被ばく限度は1ミリ?20ミリ?100ミリ?】by NHK科学文化部

2011年04月21日 (木)
【解説・被ばく限度は1ミリ?20ミリ?100ミリ?】

文科省などはおととい、福島県内で子どもたちが学校で安全に過ごすための放射線量の限度について「年間20ミリシーベルト未満」という目安を発表しました。
しかしこのニュースを聞いてこんな疑問を持った方もいると思います。
「以前のニュースでは、年間の放射線量は1ミリシーベルトまでと言ったはず」
または、「いや、100ミリシーベルトまでは安全という話も聞いたけど」
いったいどの考え方が正しいのでしょう?藤原記者が解説します。


まず、一般の人が浴びても差し支えないとされる1年間の被ばくの基準は、1ミリシーベルトです。

これは、世界の放射線医学などの研究者でつくるICRP=国際放射線防護委員会の勧告に基づいて日本が採用しているものです。
一方で放射線は実際には100ミリシーベルトを超えなければ「健康への影響は確認できない」とされています。(「影響は無い」ではないのでご注意ください。)

ではなぜ専門家集団のICRPが年間1ミリシーベルトに設定したのでしょう。そこには、「放射線は浴びないのに越したことはない」という発想があります。
ICRPは不必要な被ばくはできるだけ避けるべきだとして、放射線管理を徹底することを各国に呼びかけています

一方でICRPはこれとは別に、「緊急時」の値も参考として示しています。緊急時とは、まさに今回のような原子力発電所で事故が起きた場合などをさします。
専門家集団のICRPは「緊急時」において、原発の周辺に住む人たちの被ばくが年間1ミリシーベルト以下に抑えられない場合、多くても年間20ミリシーベルトから100ミリシーベルトの範囲にとどまるよう対策を講じるべきだとしています。
ここでようやく、20ミリシーベルトという値が登場しました。政府が4月11日に発表した計画的避難区域の根拠は、この緊急時の下限の数値にあるということです。

そしてICRPはまた「事故が収束したあとの復旧期」になり、住民がその土地に住み続ける場合、年間の被ばく量を多くても1ミリシーベルトから20ミリシーベルトまでにとどめるべきだ、としています。(この範囲で出来るだけ低い値でという条件をつけています。)
そして、長期的にはもともとの基準である年間1ミリシーベルト以下に抑えるよう提唱しています。

今回、学校の安全目安について政府は「復旧期」の上限値である年間20ミリシーベルトを採用したということです。そう聞くと、「復旧期? 緊急時ではないの?」という疑問がわきます。
事故が続く中で「復旧期」の指標を採用したのは、計画的避難区域などに指定される地域以外では、放射性物質の影響は一定程度に抑えられると判断したためと政府は説明しています。しかしこれはあくまで今後、想定外の事が起こらなければという但し書きつきです。これまで何度も「想定外」が起きているのですから。

今回の学校での放射線量の目安は、ICRPの「復旧期」の指標のうち、上限にあたる年間20ミリシーベルトを採用し、多くてもこれを超えないようにと設定されました。しかし「なぜ上限の20ミリ?」または「緊急時なのか?復旧期なのか?」といった疑問に対して、政府は丁寧な説明をしているのか、指摘しなければなりません。

不安を取り除くために十分な説明をするとともに、政府には、この目安を使っている間もできる限り年間1ミリシーベルトに収まることを目指して、引き続き被ばく量を減らす努力を続けることが求められます。




(追記)〜みなさんから寄せられたご質問をもとに、補足します。
▼「緊急時」「復旧期」とはいつのこと?
 ICRPでは原子力発電所の事故などで「緊急時」とは放射線を制御できていない状態です。つまり、平常時の1mSv以下という線量限度を守りたくても守れない状況です。「復旧期」は放射線のコントロールは取り戻したものの、その場に放射性物質が残ってしまった状況を想定しています。

▼なぜ年間20mSvを基準にとったのか?

 大きな疑問。「ICRPが20mSvという数字を挙げているからそのまま採用した」「緊急事態と復旧期の端境期だから」というのが政府の説明です。その後の取材でもこれ以上の根拠が示されることはありませんでした。

科学的には、学校生活を制限した場合の損失と仮定される健康への被害を比較して、より損失が少ない方を選ぶという方法がとられます。今回の政府の決定の背景にもこうした判断があったとみられます。

しかし、こうした方法をとる場合、どのようなリスクを比較したのかという情報を明確にする必要があります。情報が無いと検証もできなくなってしまいます。今の情報では十分な検証ができません。

「子どもの被ばくを出来る限り減らす」ことをより重視する社会では、それ以外の場面でのより大きな不便や損失に耐えることが出来るでしょう。そうなれば、さらに高いレベルの対策を取る事も想定されます。

健康被害、とりわけ子どもの健康被害を出来る限りゼロに近づけたいという親や保護者の思いは当然のものです。政府は判断の根拠をきちんと示して、対策がどうして妥当であるのかを説明する必要があります。

引き続き、様々な対策の判断の根拠を明らかにするよう求めていきます。


▼子どもの内部被ばくはどう考えているのか?
 今回示された年間20ミリシーベルトという数値には、空気中に地表から舞い上がった放射性物質を吸い込むことによる「内部被ばく」の可能性が考慮されていないのでは?という疑問があります。

 これに対し政府は、現状のデータから内部被ばくの量を計算したところ、被ばく全体の3.5%から0.2%に留まったため空間線量に基づいて目安を示すことにしたとしています。つまり微量なので内部被ばくを考慮しなくても構わないという考え方です。
計算の根拠となるモニタリングのデータをもとに、常に最新の状況を注視する必要があります。

▼ICRPの基準は成人向けではないか?成長期の子どもはより厳しい基準を適用するべきではないか?

 ICRPは子どもと胎児については感受性が高く、生涯のリスクは大人と比べて3倍になるとしていますが、基準に使われる放射線量(1mSv、20mSv、100mSvなど)に年齢の区別を設けていません。
 これは一般的に「公衆」を年齢ごとに分けて、対策に差をつけるのが難しいというのが理由の一つだと考えられます。
 
 ただしICRPは、絶対的なデータを示しているのではなく、各国の事情にあわせて対策をとることを求めています。子どもへの被ばくをより少なくする観点から、さらに低い値を採用することも可能です。なぜ20mSvを採用したのか、さらに低い値を採用しなかったのはなぜか、考え方を示す必要があります。



▼放射性物質の観測機器の高さが20mなどあまり人の歩かない高さにあるそうだが、人の高さでなくてもいいのか?

通常、文部科学省の調査は主に各地の衛生研究所などで行っています。この際、機器が設置されている場所は建物の屋上や庭なので統一されていません。これは問題だと思います。

やや複雑ですが、放射性物質がどれだけ降り積もったかを計るのは「定時降下物調査」というもので、これは地上でも屋上でもそれほど変化はないと見られます。

その一方で「空間放射線量」の調査では、地上に近づくと地上の放射性物質からの放射線も検出するため地表に近い方が高くなります。

なお、先日の福島県内の学校での「暫定的な目安」を決めた際の調査の際には、子どもの身長を考慮して、幼稚園・保育所・小学校では地上から50センチ、中学校では地上から1メートル地点で測定しています。

「暫定的な目安」の値の決め方については多くの問題が指摘されていますが、測定方法だけをとってみると、屋外のグラウンド、コンクリート、教室の窓側、廊下側など、これまでより詳細に行われているという印象です。

ただ本当に子どもの被ばくを減らす観点から言えば、調査で校庭に線量の高い場所が見つかったならば、土壌表面の除去などの対応をあわせて行うべきだと思います。

(藤原記者)
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by the-road-of-japan | 2011-04-21 04:29 | ※原発・被曝について
2011年 04月 17日

原発収束工程表示したが…「東電・政府 信頼できない」

原発収束工程表示したが…「東電・政府 信頼できない」
産経新聞 4月17日(日)20時41分配信
 福島第1原発事故の収束に向けた工程表を東京電力が示した17日、福島県内では「目標にすぎない」「避難はもっと続くのでは」といった不信やあきらめの声が相次いだ。放射性物質(放射能)の放出で都内に避難している避難者らも東電や政府に不満をぶつけた。

 村民すべてが避難を強いられる「計画的避難区域」に指定される予定の福島県飯舘村。菅野典雄村長は原発事故の対策本部で、東電の会見を伝えるテレビ中継に見入った。

 「少し先が見えてきた。今まで言われていた期間よりも短いが、それでも半年から9カ月間というのは大変長い」と菅野町長。「われわれをこれだけ悩ませ、苦しませてきたのは原発。本当に半年とかで収まった場合は来春の作付けに間に合うかもしれない」とかすかな希望も見せた。

 一方、同村北部にある佐須地区の佐藤公一区長(62)は「光が見える発表だが、あくまで目標にすぎない。火をつけた張本人が言っていることを簡単に信じてよいものか」と半信半疑。「それよりも今は、間近に迫った計画避難のことで頭がいっぱい。家は自分で見つけることになっているのだから、何とかしないと」と話した。

 3人の子供を持つ同村八木沢の会社員男性(44)も「国とか電力会社とかは全然信頼していない。避難のために準備してきたことがこれで変わるわけではなく、子供や仕事に影響の少ない避難先を探していくだけ」とそっけない反応。「たとえ原発が安定しても、避難自体は3年くらい続くのでは」と疲れた表情で話した。

 市内中心部が「緊急時避難準備区域」に指定され、子供などの立ち入り制限が求められている南相馬市。数日前に避難していた都内の長女の家から自宅に戻ってきたという同市原町区の小島幸子さん(60)は発表を聞き、「そんなに続くの。すぐには収まらないんだなという感じ。その間にどんなことが起こるかわからないし、そうなったらまた娘を頼ることになるのかも」と困り顔を見せた。

  ■  ■  ■

 東京都足立区の東京武道館では、福島第1原発事故で避難を余儀なくされた福島県の被災者ら143人が武道場の畳の上で避難生活を続けている。17日の東電の発表を受け、被災者は「いつになったら帰れるのか」「補償問題はどうなるんだ」と不安や怒りの気持ちをあらわにした。

 原発から約30キロ離れた屋内待避地域から避難した同県南相馬市の漁師、濱田卓也さん(35)は妻、洋子さん(38)と2人の子供と同館へ避難した。「政府の発表はこれまで二転三転してばかりで何も信用することができない。原発の状況を事細かに発表し、安心させてほしい」。19日からは東京都千代田区の旧グランドプリンスホテル赤坂に移動する予定といい、「ホテルの受け入れ終了までに自宅に戻ることはできないのだろうか」と不安を漏らした。

 事故翌日、原発から6キロ離れた同県大熊町の自宅から着の身着のままで車で避難した新妻義治さん(61)は同館で一人きりの生活が約1カ月続く。「自宅は原発の目の前。補償問題はどうなるんだろうか」と疲労の色をにじませた。

 原発から約10キロ離れた南相馬市の原発作業員、佐藤恒安さん(54)は「東電は話にならない。プールから燃料棒を抜かなければ放射能は出っ放しだ。早い解決は無理だ」と述べ、いわき市の作業員、西本一弘さん(54)は「政府は放射能被害を受けた子供の将来を真剣に考えてほしい」と訴えた。
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by the-road-of-japan | 2011-04-17 05:38 | ※原発・被曝について
2011年 04月 16日

ゼオライト、汚染水対策に

ゼオライト、汚染水対策に=放射性物質吸着、冷却再利用も―福島第1原発・東電
時事通信 4月16日(土)6時2分配信
 福島第1原発事故で、東京電力は16日までに、海中の放射性物質が拡散するのを防ぐため、「ゼオライト」という鉱物を取水口付近に投入した。放射性物質の吸着効果が確認されており、今後、建屋内の水の汚染軽減に活用することも検討している。
 ゼオライトは、1979年の米スリーマイル島原発事故でも汚染水の除染に使われた。微細な穴を多数持ち、1キロ当たり、放射性セシウム6グラムを吸着することが、東電が海中で実施した試験で確認されている。
 東電は汚染水拡大を物理的に防ぐ水中カーテン「シルトフェンス」に加え、ゼオライト100キロを詰めた縦、横、高さ各80センチの大型土のう3袋を取水口付近に投入。このほか計7袋を用意しており、17日以降も投入を継続する。
 東電は今後、投入したゼオライトの吸着効果を詳しく分析。原子炉冷却のため注入した水や、タービン建屋などにたまった水の汚染をゼオライトで軽減し、冷却に再利用できるか検討する。 
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by the-road-of-japan | 2011-04-16 10:18 | ※原発・被曝について
2011年 04月 15日

福島原発に命がけの放水、あの隊長が激白

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■福島原発に命がけの放水、あの隊長が激白
~原発危機と戦った消防隊の危機マネジメント~大西 孝弘さん
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 4月10日に東京都知事選の4選を果たした石原慎太郎氏が、出馬表明後に最も感情的に
なった場面がある。福島第1原子力発電所で放水活動にあたった東京消防庁の活動報告会
だ。「国運を左右する戦いに、生命を賭して頑張っていただいた」と涙ながらに消防隊員を
労った。海外からも称賛の声が多く寄せられた。

 注目すべきは、勇猛果敢な姿だけではない。消防隊は冷静に現場を分析し、着実に任務
を全うしている。消防隊の特徴は、臨機応援に現場の危機に対応していくこと。現場に裁
量がある分、その責任は重い。ハイパーレスキュー隊の高山幸夫総括隊長に、福島第1原
発の放水活動の様子とともに、現場の危機マネジメントのあり方を聞いた。

(聞き手、構成は大西孝弘=日本経済新聞証券部)

 3月19日、東京消防庁に属する139人の消防隊員が、福島第1原発を冷却するための放
水活動にあたった。そのうち、第八消防方面本部のハイパーレスキュー隊32人を率いたの
が、高山幸夫総括隊長だ。高山総括隊長の部隊は、海水を福島第1原発に放水する実行部
隊だった。

 高山 福島第1原発では現場では今まで味わったことのない恐怖感を感じました。我々
の出動する現場は、火災や交通事故など騒然としているところが多い。普通の現場では火
災が強いところなどを確認して、自分たちで危険を排除して突入できますが、今回は危険
な場所が目に見えない。放射能という見えない敵と戦わざるを得ませんでした。夜中で人
っ子一人いなくて妙に静かで、不気味な現場でした。

焦る気持ちを抑え、落ち着いて

東京消防庁ハイパーレスキュー隊の高山幸夫総括隊長(写真:的野 弘路、以下同) 事前
に内部被曝の恐ろしさも知っていました。東海村JCO臨界事故で被曝した作業員の担当医
師から、その症状を聞いたことがあります。はじめは何ともなかった作業員が、菌に抵抗
できず口内炎だらけになっていって全身が蝕まれていく様子も事細かに知っていた。

 だから、今回の作業で最も難しかったのは、隊員の精神面をケアすることです。見えな
い敵を前に隊員が急いで作業をして、怒鳴り合う場面もありましたが、もし私が怒鳴って
しまったら部隊ががさらにザワザワしてしまう。内心は私も「早くしろ」と思っていまし
たが、あえてどっしり構えて、部隊を落ち着かせるようにしました。

 夜中の活動で見えないところもあったから、無線を通して落ち着いた口調で話すことを
心がけました。今回とは逆に、隊員の動きが悪かった場合は隊長が活を入れる場合もあり
ます。現場の様子次第で臨機応変に対応します。

 危機対応の現場では事前に明確な役割分担を決める一方、臨機応変に現場で対応してい
くことが求められる。現場外の上司の判断を求めていては、判断が遅れるからだ。最悪の
場合、隊員の生命を失うことになりかねない。消防隊員は、それだけの緊張感を持って現
場に出動している。

 高山 放水活動の役割分担はきっちり決めておきました。32人のうち15人が最前線の作
業部隊。原発の正面から攻めて、放水車を立ててホースを伸ばす作業を担当。もう1つの
ハイパーレスキュー隊は、海側に出て海水を汲み上げる作業を担当しました。残りは前線
部隊の放射線量が高くなった時に備えて、敷地外で待機させておきました。現場に来た以
上、みんなが最前線に行きたがっていましたが、待機する人も含めて任務だと理解しても
らいました。待っている方がつらいものですよ。
 津波と原子炉建屋の爆発によって、現場は予想以上にがれきが散乱していました。海水
から水を汲み上げ、ホースを使って放水車まで水を運ぶ予定でしたが、がれきが多くてホ
ースを伸ばす作業にポンプ車を使えない。そこで隊員たちが350mほど手動でホースを伸
ばしました。その間は放射能を浴びることになりかねないから、常に線量計を持って放射
線量を測りながら作業させることになります。化学の専門部隊が隊員たちのそばに立って、
放射線量を常に測り続けてくれました。

 指示命令系統は混乱していました。指示が何度か変わり、予定より長い時間、放水を続
けることにもなりました。2台出動したポンプ車のうち1台は、無理な使い方をしたことで
エンジンが壊れてしまったほどです。

放射線量を睨みながら常に撤退を想定

ホワイトボードで役割分担を説明する高山総括隊長 危険な災害現場では現場で判断しな
いといけないことが多い。特に大事なのは撤退の判断です。「行け」というのは簡単だが、
撤退の判断は特に難しい。

 放射線量が限度を超えそうだったら、上層部に「撤退する」とはっきり言うことを決め
ておきました。それは出動する前に上司にしっかり確認しておいた。すぐに撤退できる準
備も怠りませんでした。作業現場には常に2台のマイクロバスを用意。放射線量が高まっ
たり、何らかの事故があったりしたら機材などを置いて、一目散にバスに乗り込んで逃げ
られるようにしておきました。隊員の生命を守るのは、隊長としての使命です。

 現場で臨機応変に判断できるのは、日々難しい現場を体験しているからにほかならない。
火災現場や交通事故の現場で、消防隊やレスキュー隊は危機管理能力を常に磨いている。

 高山 災害の現場で最も難しいのは火災現場です。火事はまるで生き物のように変化し
ます。さっきまで大丈夫だと思っても、急にボカーンって爆発したりする。その時の安全
判断は一番難しい。どこも危険だと考えたら救助に突入できません。突入して崩落、爆発
などしようものなら、突入させた隊長の責任になります。常に緊迫した判断を求められる
から、判断能力が磨かれるのです。

 さきほどの撤退の話で言うと、退路の確認は基本中の基本です。火災現場でもパッと見
た瞬間に「あそことあそこに窓がある」と確認して、常に頭に描いておくことが大事。常
に隊員の逃げ道を確保しておくのが司令官の義務です。

 石原慎太郎・東京都知事が思わず目に涙を浮かべたように、海外でも現場の危機対応に
あたる東京電力社員や消防隊への称賛が相次いでいる。隊員たちはなぜ現場に赴くのか。
危険な現場での作業を支えるのは、指揮官と隊員たちの信頼関係だと高山隊長は言う。
 高山 「給料が高いわけでもないのに、自分の生命を危険にさらしてまで、よくやるな」
って言われることはあります。ですが、消防隊に入ってこのオレンジの服を着た以上は、
生命が危険にさらされる覚悟はあります。他人のために救助をしているという意識は強い。
隊員たちは純粋です。


東京都立川市にある東京消防庁第八方面本部消防救助機動部隊の敷地内には、救助訓練が
できる施設がある ただ、現場では隊長の命令で本当に生命を失うこともあるから、隊長
との信頼関係は非常に重要です。その信頼関係は普段の活動の中から生まれるものです。
一朝一夕に築けるものではありません。

 信頼関係は普段の態度の積み重ねです。私の場合は、自分が頑張っている姿をできるだ
け見せるようにしている。およそ10年間、毎日の通勤ランニングを欠かしていません。月
曜日から金曜日までの勤務で片道8km、往復16kmを走って通勤しています。雨だろうが
毎日走ることで、部下に優柔不断ではないことを分かってもらえるのではないでしょうか。

 消防は体を鍛えてばかりいるイメージがあるかもしれませんが、医療の勉強もしていま
す。NASA(米航空宇宙局)にある救急の専門組織に自費で参加したこともあります。米国
では医療的な見地を踏まえた救急をしているからです。現場の救助の仕方によってその後
の手術や回復の具合も変わってくるので、医療の知識が必要だと考えました。

上に行くほど明るさが大事
 隊員や部下は上司をよく見ていますよ。上の顔色ばかり見ている上司のことを部下は尊
敬しません。尊敬して心を1つにしないと現場は動かない。ご機嫌を取るわけではないけ
ど、部下の視点というを意識しています。

 職場を明るくすることも大事ですね。絶対に。上に行けば行くほど明るさが必要ではな
いでしょうか。もちろん、ずっとニコニコしているわけではありません。隊員が緩んでい
るときは、カミナリを落とすことも必要です。

 日本政府や東京電力のトップは、現場から信頼されているのか。危機対応の現場では、
トップが現場に精通し、信頼されていないと迅速で有効な対策は打てない。今回の原発事
故は、現場の危機管理マネジメントの重要性を改めて浮き彫りにした。

 高山 消防隊は指揮官が必ず現場に行きます。何かの都合で隊長が不在ならば、消防署
長だって現場に行きます。現場を知らなければ指示は出せませんからね。

 原発事故の対応で不思議だったのは、なぜ指示を出す人が現場に行かないのかというこ
とです。設備の損傷やがれきの状況など、現場に行かなければ分からないことがたくさん
あります。トップの顔が見えないのは、現場も不安になります。(政府や東電が)危機対応
をできないのであれば、防災のプロが司令塔になることも必要かもしれません。

 強調したいのは、東電の現場社員は死に物狂いで頑張っています。我々の放水活動でも
安全な道を案内してくれたり、常に手元を照明で照らし続けてくれました。今回は消防だ
けでなく、東電社員たちの協力があったからこそ原発危機に立ち向かうことができたこと
を、みなさんには分かってほしいと思います。
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by the-road-of-japan | 2011-04-15 07:28 | ※原発・被曝について
2011年 04月 15日

武田邦彦(中部大学)氏のコメント/テレビでは言えない事が!

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こちらに沢山のコメントがあります]
> [■■■■ 特設の2]

生活と原子力03  放射線と人間の細胞(その1)

(基礎的なことですが、これから放射性物質と長いつき合いになるので、人間の細胞と放射線について少し解説をしておきます。)

生命をもった生物がこの地球に誕生したのは今から37億年前と言われています。しかし生まれたての生物にはとても辛いことがありました。

それは、空から放射線がものすごく降って来るからです. 

最初の生物は海の中で誕生しましたけれども、その生物が海水面に上がってくるとすぐガンになって死んでしまったのです。

その原因は太陽にありました。太陽というのは核融合をしている「裸の原子炉」ですから、そこから強い放射線が地球に降り注ぐいたのです。

しかし生物は太陽の光がないと生きていけませんので、(意識があったかどうかは別にして)チャレンジ精神の旺盛な強い生物は危険をおかして海水面に上ろうとしたのです。

できるだけ多くの太陽の光を浴びようとすると、降り注ぐでくる放射線を守ることが必要になります。このことから生物には、放射線に対する防御能力が発達しました。

原始的な動物にも放射線に対して防御する力が強いのはこのような歴史的な経験からです。

・・・・・・・・・

もし、そのままであれば地球上には、今のように多くの生物が住むことはなかったでしょう。しかし、今から約15億年程前、生物が吐き出した酸素が上空に上り、成層圏でオゾン層を形成したのです。

このオゾン層は、太陽からの放射線をほとんどシャッタアウトするという性質を持っていました。

その後、不運なことにしばらく地球が寒冷化したので、生物はそれほど繁殖しませんでしたが、今から6億年程前に地球が暖かくなると、放射線は来ないし、気温は温暖化したので生物が急激に繁殖します。

その末裔が今の人間です。

そして、人間が最も放射線に対する防御も発達しています。なお、夏の海水浴で真っ黒に日焼けするのは、「波長の長い放射線」でそれに対する防御も人間はとても進んでいます。

・・・・・・・・・

わたくしは長く人間や生物、またプラスチック(高分子)等の材料の劣化の研究をしてきました。プラスチックと人間というと大きく違うように思いますが、石油は大昔の生物の死骸なので、石油から作ったプラスチックは人間の体と非常に似ているのです。

一つの例を挙げますと、人間の女性の足を作っている筋肉は「ポリアミド」という高分子ですが、女性が使っているストッキングは「石油からできたポリアミド」です。

つまり、ストッキングをはいている女性の足は、ポリアミドでできた自分の筋肉の上に、これもポリアミドでできたストッキングをはいているのです。

つまり、人間や生物の体の材料とプラスチックはほとんど同じもので、わたくしは長い間、「人間の体のように、自分で自分を修繕するようなプラスチック」(自己修復性プラスチック)を研究していました(詳しくは私の研究が雑誌「ニュートン」に2度ほど紹介されていますので、それをご参照ください)。

わたくしが原子力の研究をしていた頃、重要な研究テーマの一つは「放射線で材料が劣化しないこと」でした。その研究の過程で人間の細胞はなかなか放射線で死なないこと、その修復はどのようなメカニズムであることを知ったのです

.

・・・・・・・・・

このブログでも書いていますように、わたくしは放射線に対して従来から「規制値が厳しすぎるのではないか」ということを発言してきた一人です。

それはわたくしが人間の細胞と放射線の関係を調べてみると、人間の細胞は修復力が強く、放射線でダメになってもすぐ修繕するからです。

でも、わたくしは「放射線と細胞」というある一面からしか研究していないのですが、放射線に関わる多くの専門家は「放射線と身体」の総合的な関係を研究されておられるからです。

例えば、10万人の集団がいて、ある量の放射線を浴びるとどのくらいガンが発生するかという統計的な研究や、また医学的にある放射性物質が体に入った時にどのような作用するかということも詳しく調べられています。

・・・・・・・・・

原子力の分野では、日常的にも放射線と体への影響というのは議論になります。そしてその中にはいろいろな専門の先生がおられますから、それぞれの研究分野で見方が違います。

わたくしのように「放射線と細胞の劣化」ということを研究してる人は、放射線で細胞が劣化しても回復力が強いから大丈夫ではないかという感触を持っていますし、また現場のお医者さん等は放射線で障害を受けた人を治療しておられますから、やや慎重であるというだ傾向があるからです。

こう言った議論を通じて最終的にはある規制値が決まってきます。それが現在の1年間で1ミリシーベルとまでは大丈夫だという規制値になっているです。

・・・・・・・・・

福島原発の事故が起こっても、私は人間の細胞は放射線に対する防御に優れているので、そう簡単にやられないと思っています。でも、それは「免疫力が強く、栄養のバランスがとれて、休養が十分」という条件が必要です。

しかし、人間はそのように元気な人ばかりではありません。赤ちゃんや病気がちの人もおられますので、やや規制値は低くなりがちです。

人間の体というのは本当に複雑なので、「わたくしが大丈夫だから、あなたも大丈夫」ということにもなりませんし、一方では、強い放射線を浴びてもあまり病気にならない人もいます。

機会がありましたらもう一度、人間の細胞が放射線のダメージからどのように立ち治っていくかということも解説していきたいと思います。

もちろん放射線に被爆して体が痛むというのは、「病気」の一種ですから、できるだけ栄養を取り、休養を十分にとり、そして免疫力をつけることが放射線に対して体を守る一つの方法であることは間違いありません。

(平成23年4月3日 午前8時 執筆)


武田邦彦


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(C) 2007 武田邦彦 (中部大学) 引用はご自由にどうぞ
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by the-road-of-japan | 2011-04-15 07:15 | ※原発・被曝について
2011年 04月 13日

原子力政策を抜本的に見直し、 省エネと再生可能エネルギーを軸とした低炭素社会への転換を

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原子力政策を抜本的に見直し、
省エネと再生可能エネルギーを軸とした低炭素社会への転換を
2011 年3 月31 日
気候ネットワーク 代表 浅岡美恵
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by the-road-of-japan | 2011-04-13 18:00 | ※原発・被曝について
2011年 04月 13日

原子力政策を抜本的に見直し、 省エネと再生可能エネルギーを軸とした低炭素社会への

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- 気候ネットワーク提言 -
原子力政策を抜本的に見直し、
省エネと再生可能エネルギーを軸とした低炭素社会への転換を
2011 年3 月31 日
気候ネットワーク 代表 浅岡美恵

1.福島第一原子力発電所の事態の一刻も早い収束を
今回の東日本大震災は、地震、津波の大きな被害、そして、福島第1 原子力発電所事故を引き起こ
しました。原発事故による放射性物質の拡散は、近隣住民のみならず、幅広い地域の人々の命や暮ら
しを脅かし、その事態は日々悪化しています。プルトニウムが検出されるような深刻な事態に至る前
に対処されなかったことに痛恨の念が止みません。今は、この先、長期にわたって多大な影響を残す
放射能汚染をこれ以上拡大させないために、世界中の英知を集め、原子力発電所の一刻も早い事態の
収束に、全力が投じられなければなりません。
政府には、現場で働く作業員、乳幼児、妊婦をはじめ、すべての人々の命を守ることを第一に、さ
らなる事態悪化を防ぐよう、国を挙げて早期の判断と行動を、強く要請します。

2.すでに破たんしていた、原発推進を織り込んだ地球温暖化政策
今回の事故は、国民の多くが多大な犠牲を払う形で、原子力発電所にある大量の放射性物質がきわ
めて危険であること、一度事故が起こると人間がコントロールできない惨事になりうること、技術に
万全はないこと、を私たちに突きつけるものとなりました。
これまで国は、「エネルギーの安定供給」、「経済性」、そして、「(運転中にCO2 を出さないことか
ら)地球温暖化対策」を理由に、原子力発電に多額の資金を投じ、国策として推進してきました。
その結果、現在は国内に54 基もの原子力発電所が存在しています。また政府は、今後、2030 年ま
でに新たに14 基を建設し、電源構成に占める「ゼロエミッション電源」比率を、2020 年に50%、
2030 年に70%以上とする目標を立てています1。このうち再生可能エネルギーが占める割合はほんの
わずかで、ほとんどが原子力発電で占められる計画です。14 基の中には今回事故をおこした福島第一
1 「エネルギー基本計画」2010 年6 月18 日閣議決定
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/kihonkeikaku/index.htm
2
原子力発電所に増設予定の 2 基、被災地の波江小高の1 基、東海地震震源域近くの浜岡原子力発電所
の1 基が含まれています。
政府は原子力推進を強力に推し進めてきましたが、これまで、地元住民の反対による新規建設の遅
れや、東京電力のトラブル(2003 年)や中越沖地震(2007 年)によって運転が停止し、原子力発電
の利用促進は計画通りに進んできませんでした。それでも、政府は方針を見直すことなく、過大な原
子力発電所の増設と稼働率アップを前提に、省エネや再生可能エネルギー導入を抑制し、CO2 排出の
多い石炭火力発電の増加を容認し、日本経団連自主行動計画に委ねてよいとして排出量取引制度や炭
素税などの制度導入を先送りするなど、主要な温暖化対策・政策を後回しにしてきました。
このような、いわば破綻した政府方針の当然の結果として、日本では、2008 年のリーマン・ショッ
クを迎えるまで、日本のCO2 排出は増加を続けてきました。気候ネットワークは1998 年設立来、原
子力発電所依存は地球温暖化対策にならないことを指摘してきました。そして実際に、原発推進政策
が、CO2 削減に寄与してこなかったことは、過去の実績が証明しています。

3.今後のエネルギー需給と地球温暖化防止政策
(1)エネルギーの需要側管理と省エネの強化
今回の事故を教訓に、私たちは国を挙げて、エネルギー需要管理システムの抜本的に見直し、更な
る省エネに取り組むべきです。
・計画停電から、需要側管理(デマンドサイド・マネジメント)による対応へ2
電力需要側には削減の余地があります。電力消費の3 分の2 を占める約75 万(電事連調べ3)の大
口電力消費事業所、とりわけ電力需要の約4 割を占める約5 万の超大口電力消費事業所において、冷
暖房系統や照明・動力設備、運用管理等による削減可能性は、これまでも指摘されています。
契約数にして8000 万の家庭・中小企業は電力消費量で全体の3 分の1 を占めますが、これらを対
象とする現在の計画停電は、病院や交通機関、産業や個人への負担や悪影響が大きく、早急に方針を
改めるべきです。
(a) 大口需要家対象の「省エネ発電所」づくり
 電力使用量に総量規制
一定規模の電力消費をする大規模需要家(工場・大口業務)に対し、電力の使用量に総量規制
を設ける。これにより電力使用総量を押し下げることを実現する。
 電力需給調整の活用
2 参考資料: 環境エネルギー政策研究所『「無計画停電」から「戦略的エネルギーシフト」へ』2011
年3 月23 日 http://www.isep.or.jp/images/press/ISEP_Strategy110323.pdf
3 電気事業連合会「電力自由化範囲の拡大」http://www.fepc.or.jp/present/jiyuuka/outline/index.html

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夏場の電力需給増加時に、現行の「需給調整契約」を適用し、ピーク時の使用抑制要請を発動す
る。
 電力料金の見直し
電力料金を一律に値上げするのではなく、ピーク時の電気料金(基本料金を含む)や、契約電
力を超えた際の違約金などを大幅に値上げする。これにより、ピーク時の需要抑制を図る。
 稼働時間シフト調整
業界単位等で、工場の稼働期間、休日・休暇、稼働時間をシフトさせるよう調整する。これによ
り、ピーク時の需要を押し下げる。
(b) 小口の省エネ対策
家庭や中小企業の電力需要は全体の 3 分の1 であり、家庭の電力需要のピークは昼間ではなく
夕方であって、「ピークカット」への貢献度は大きくないものの、家庭も電力危機に貢献し、温
暖化対策にもなり、家計も助かる省エネに、スマートに取り組めるよう支援する。
 東京電力のホームページにある「電力の使用状況グラフ」を恒常化
東京電力のホームページに表記グラフが掲載されており、毎日・毎時の需給切迫度がある程度
わかる。これを広く告知して活用し、各主体にその日の供給量に合わせ、電力の使用時間のシフ
トや、ピーク時の使用抑制を呼びかけることができる。それにより、個人や小規模事業者を含め
た幅広い需要マネジメントを恒常化させる。
これらは対策の例ですが、こうした需要側管理を行うことにより、病院や在宅介護などのライフラ
イン電源を確保しつつ、計画停電をしない賢明な方策の早期の実施を求めます。
・節電から、持続的な省エネへ
これからの電力・エネルギー大量消費社会の見直しは不可欠です。
東京電力管内では、福島第一原子力発電所(1~6 号機)と、地震・津波の影響を受けた火力発電所
を合わせ、25 の発電所が停止しています4。供給力の低下による大規模停電を避けるため、計画停電
が断続的に実施され、また各方面へ節電が呼び掛けられ、個人・企業・公共団体等、あらゆるセクタ
ーで、節電へ協力が広がっています。
しかし現状は、これが緊急対応としての措置として実施されている状況です。今後、供給力不足は
夏に向け厳しくなることが見込まれており、電球を外して照明を暗くするといった応急措置対応から、
震災により大幅節電が迫られるのを契機に、また震災復興に向けて一部設備が入れ替えられるのを契
機に、大量エネルギー社会に戻るのではなく、低炭素社会に向けて大きく踏み出すことが、今、求め
られています。
気候ネットワークでは、供給力回復とともに電力消費が再び上向くことにならないよう、各セクタ
ーに、様々な知恵と工夫、技術によって、これまで以上の大胆で持続的な省エネへ舵を切ることを、
呼びかけます。
4 気候ネットワーク 「発電所ウォッチ」
http://www.kikonet.org/research/ppwatch.html

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(2)原子力発電に頼らない、安全で安心なエネルギー供給システムを
将来にわたって、安心して使うことの出来るエネルギー社会を築いていくことは、この事故を経験
した私たち日本人の責任です。原子力の危険だけでなく、温暖化の悪影響を最小化するために、原子
力発電の利用促進の方針を転換し、再生可能エネルギーへのシフトを大胆に推進していくべきです。
・化石燃料依存を最低限に
現在、東京電力管内で、長期停止中であった横須賀石油火力発電所の運転等の準備が進められてお
り、一次的に化石燃料起源の発電所の利用率が高まる傾向にあります。これは緊急対応としてはやむ
をえないものですが、気候変動の危機の観点からは、これが今後、化石燃料依存を高めることとなっ
てはなりません。とりわけ、石炭火力発電の増加は温暖化による危険をより深刻にします。
石炭火力発電から高効率の天然ガス発電へと転換することによって、必要な電力は確保しつつ、需
要側管理によるピークカットと省エネを徹底し、総体としての使用電力量自体を下げる工夫を最大限
に行うべきです。
・再生可能エネルギーへの大幅シフトを ~20 年に25%以上、50 年には100%に
既に、菅直人首相が言及しているように5、今後、再生可能エネルギーへの大幅シフトは不可欠です。
世界的には再生可能エネルギー100%の未来を描く潮流が生まれはじめていますが6、日本の太陽光、
太陽熱、風力、洋上風力、地熱、バイオマス、小水力等を合わせればその潜在性は大きく、2050 年ま
でに国内の電力需要の100%を再生可能エネルギーでまかなうことも可能だと考えられます。
政府方針が固められつつあった再生可能エネルギー全量固定価格買取制度の方針については、改め
て見直し、すべての再生可能エネルギーの利用を飛躍的に拡大させるための政策を導入すべきです。
そのために、太陽光発電の(余剰のみならず)全量買取への転換、エネルギー源ごとの買取価格の見
直しを図り、少なくとも2020 年25%以上の電力を再生可能エネルギーでまかなうよう、目標を引き
上げるべきです。
また、「エネルギー政策基本法」「エネルギー基本計画」、「エネルギー供給構造高度化法」、「原子力
政策大綱」など、原子力を推し進めてきた政策すべてを、再生可能エネルギーシフトを軸に、抜本見
直しを図るべきです。
・新設計画の撤回と、古い原子力発電の段階的廃炉
5 菅直人首相は29 日午前の参院予算委員会で、福島原発事故を受けたエネルギー政策の見直しにつ
いて、「今回のことを教訓に、太陽、バイオなどクリーンエネルギーを世界の先頭に立って開発し、
新たな日本の大きな柱にしていく」と述べ、再生可能な新エネルギーの活用を積極的に進める考えを
強調した。
6 WWF レポート:2050 年までに、再生可能エネルギー100%は実現できる『The Energy Report -
100% Renewable Energy By 2050』 2011 年2 月3 日
http://www.wwf.or.jp/activities/2011/02/967208.html

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政府及び電力会社は、2030 年までに新たに14 基の原子力発電所を新設する計画を立てています。
しかし、今回の教訓から明らかな通り、さらなる原子力発電所の建設を推進することに正当性はなく、
また実現可能性もないというほかありません。新設計画はすべて撤回するよう求めます。
また、今回の震災で、東京電力福島第一原子力発電所の1~6号機、福島第二原子力発電所の1~4
号機、東北電力女川原子力発電所(1~3 号機)、東通原子力発電所(1 号機)、日本原子力発電東海第
二の、日本の原発の約4分の1に当たる計15 基1347 万kWの原子力発電所が停止しました。しかし、
現在でも1970 年代に運転開始をした原子力発電18 基のうち7 基が運転中、4 基は定期点検後の運転
を目指しています7。政府は、原子力発電所の寿命の長期化方針を立てていましたが、これからは、安
全性を第一に40 年を経過した原子力発電所は廃炉、それ以前の発電所でも巨大地震を前提にした耐
震、非常用電源確保、津波対策がとれていない発電所はいったん停止させることを基本として、これ
らの古い原子力発電所の廃炉を計画に織り込んで進めていくべきです。
さらに、東京電力福島第2 原子力発電所(現在停止中)の廃炉、中部電力が東海地震震源域近くで
運転している静岡の浜岡原子力発電所の運転停止は、安全性の観点から優先実施するべきです。
(3)電力供給事業のあり方の抜本的見直しを
日本の地域独占による発電と送配電を一括した巨大な電力事業者の存在と意向がこれまでの日本の
エネルギー需給及び地球温暖化政策のあり方に大きな影響を及ぼし、省エネ・省CO2、再生可能エネ
ルギー拡大の政策の足かせとなってきました。
10 電力会社「縦割」の送電網は、自社の原子力発電所を優先し、再生可能エネルギー受け入れを制
限してきました。今回の地震では西日本の発電所は動いているのに送電網の「縦割」に阻まれ、規制
により他の電力から電気を買うことのできない多くの家庭や中小企業が停電を余儀なくされました。
停電先も公的ルールでなく私企業が決めています。
今回の事態を教訓として、発電と送配電事業の分離、電力事業者の小規模分散化、消費者の電源の
選択の保障、電力に関するエネルギーや環境のルール、再生可能エネルギー優先アクセス原則などを
環境の視点を重視した公的なルールを基づき需給契約がなされるよう、電力供給事業のあり方の抜本
的な改革が必要です。
4.低炭素社会実現と脱原発を両立させ、京都議定書目標達成から、25%削減の達成へ
政府や電力会社が、地球温暖化対策という名の下に原子力発電を推進してきた経緯から、原子力発
電所が動かなくなるとCO2 が増えてしまうという声もあります。しかし、原子力発電が温暖化対策
にならないことは、かねてから気候ネットワークが指摘してきたことであり、過去の排出実績もそれ
7 詳細は、気候ネットワーク「発電所ウォッチ」http://www.kikonet.org/research/ppwatch.html

6
を証明しています。今、求められているのは、低炭素と脱原発を両立させた社会の実現です。
・エネルギー政策見直しと連動した 25%削減方針の具体化
エネルギー政策の抜本見直しは、気候変動を防ぐ低炭素社会実現の方針と連動したものでなければ
なりません。実際その対策の多くは、調和するものです。
気候ネットワークが2009 年11 月に発表したディスカッション・ペーパー「国内25%削減を、余
裕をもって削減する道筋と、削減可能性」8では、2020 年に原子力発電所を40 年で廃炉にすることを
織り込んだ上で、2020 年25%削減が余裕を持って可能であることを示しました。
今回の経験は、持続可能な日本を構築していくために、産業のあり方とともに、私たち市民の暮ら
しそのものを見直し、各界各層が一層の省エネ・省CO2 を実現していく必要性を再認識させました。
国民が広く、そのための制度づくりに積極的に参画し、その声が反映されていくことを求めます。
そして、今回の被災地の復興を出発点として、低炭素と脱原発の両立を図りながら、新しいエネル
ギー社会を構築し、温暖化の被害も原子力の危険もない持続可能な日本を築いていかなければなりま
せん。
継続審議となっている地球温暖化対策基本法案の内容は、25%削減を軸に、日本の低炭素社会と原
子力に頼らないエネルギー政策を統合する位置づけの法案として成立を図るべく、検討を急ぐべきで
す。
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by the-road-of-japan | 2011-04-13 07:02 | ※原発・被曝について
2011年 04月 05日

故平井憲夫氏/原発がどんなものか知ってほしい

 私は原発反対運動家ではありません。二○年間、原子力発電所の現場で働いていた者です。原発については賛成だとか、危険だとか、安全だとかいろんな論争がありますが、私は「原発とはこういうものですよ」と、ほとんどの人が知らない原発の中のお話をします。そして、最後まで読んでいただくと、原発がみなさんが思っていらっしゃるようなものではなく、毎日、被曝者を生み、大変な差別をつくっているものでもあることがよく分かると思います。

* 全ページ一括表示/こちらをクリックして下さい。

1. 私は原発反対運動家ではありません
2. 「安全」は机上の話
3. 素人が造る原発
4. 名ばかりの検査・検査官
5. いいかげんな原発の耐震設計
6. 定期点検工事も素人が
7. 放射能垂れ流しの海
8. 内部被爆が一番怖い
9. 普通の職場環境とは全く違う
10. 「絶対安全」だと5時間の洗脳教育
11. だれが助けるのか
12. びっくりした美浜原発細管破断事故!
13. もんじゅの大事故
14. 日本のプルトニウムがフランスの核兵器に?
15. 日本には途中でやめる勇気がない
16. 廃炉も解体も出来ない原発
17. 「閉鎖」して、監視・管理
18. どうしようもない放射性廃棄物
19. 住民の被曝と恐ろしい差別
20. 私、子供生んでも大丈夫ですか。たとえ電気がなくなってもいいから、私は原発はいやだ。
21. 原発がある限り、安心できない

筆者「平井憲夫さん」について:

1997年1月逝去。
1級プラント配管技能士、原発事故調査国民会議顧問、原発被曝労働者救済センター代表、北陸電力能登(現・志賀)原発差し止め裁判原告特別補佐人、東北電力女川原発差し止め裁判原告特別補佐人、福島第2原発3号機運転差し止め訴訟原告証人。
「原発被曝労働者救済センター」は後継者がなく、閉鎖されました。
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by the-road-of-japan | 2011-04-05 05:50 | ※原発・被曝について
2011年 03月 12日

矢ケ崎克馬「福島原発放射能漏れについて」

矢ケ崎克馬さん(琉球大学の名誉教授・「隠された被曝」の著書・原子力発電所の被曝労働者弁護団の科学的弁護を担当)の文章が送られてきたので、許可を得て転送します。

【以下、転送】
矢ヶ崎克馬 「福島原発放射能漏れについて」

●最大の住民プロテクトは放射能の埃を体内に入れないこと。
●マスクをすること。屋外での食糧配布はやめて屋内での配布とすること。
●雨には当たらないこと、
●子どもの屋外での遊びは極力避けること、等々。

1.1.身体についた埃は洗えば除去できるが、身体内部に入って内部被曝を起す埃除去できない。
基本的には環境が汚染された時には、いかに内部被曝を避けるか、外部被曝・付着被曝を最小にするか、が問われる。内部被曝とは、外気を吸い込むことで何年後かに癌になるのが特徴です。だから、徹頭徹尾外気を無防備で吸わないめ、必ず、命を守るために、マスクをしなくてはならない。映像で除染しているところが映されたが、作業員は完全防毒マスクをしていて、除染される住民はマスクもせず無防備だったことは、許されることではない。

2.ガイガーカウンターで、放射線のほこりのガンマー線だけを拾っても駄目なのはなぜか。それは、外部被曝では主としてガンマ線であるが、内部被曝はベータ線が主でガンマ線とアルファ線もあるので、被曝量は内部被曝の方がはるかに多く被害が深刻になるからだ。(崩壊した原子によるベータ線とウランによるアルファ線が含まれる。)

3.放射能の埃は多原子からなる微粒子を形成するもので、崩壊は、核分裂で生成した原子はベータ崩壊(ベータ線を出す)であり、燃料のウランはアルファ崩壊が主である。セシウムや沃素はモニターされる原子であって、放射能の埃の正体である放射性微粒子からは多種の原子からの放射線が出ている。すなわち沃素だけプロテクトして済むものではない。放射能の埃:放射性微粒子は放射性原子が一個一個別々 の状態ではないので内部被曝は余計に怖いものである。

4.ちなみに沃素-1は甲状腺に集中するので、非放射性の沃素であらかじめ甲状腺を飽和させておけば新たな放射性沃素は定着しないものであるが、沃素だけのプ ロテクトを強調するのは誤りである。

5.内部被曝では長期間体内に保持される。この被曝量は無視するべきでない。矢ヶ崎克馬の試算では百万分の1グラム程度の摂取量で1シーベルト程度の被爆になる。マイクロシーベルトどころの話ではない。少量の吸入でも確率的に発がんに結びつくものであり、十万人当たり数十人のがん死亡者を上昇させる。これは10年規模で判明する被曝被害であり、放射性の埃を吸引したことによるのが原因であるということは、患者からの解明では決して追跡できない。ごまかしが効く被曝形態である が、数としては膨大な被害者群を形成する。

6.原子力発電は「内部被曝」による犠牲者を無視することによって、初めて成り立つ商売である。欧州放射線リスク委員会の放射線による犠牲者は戦後6500万人に上るという試算を留意すべきである。この中には原発による犠牲者が数百万人に及ぶと考えられる。

7.ちなみに日本の放射性科学陣は内部被曝について世界一鈍感であると言え る。

8.住民の内部被曝を極力避けるような指示、方針を出すべきである。
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by the-road-of-japan | 2011-03-12 08:27 | ※原発・被曝について