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NPO法人  motherboard 2011「日本の道」

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2011年 04月 10日

岩沼市・井口経明市長/河北新報のニュースサイト・コルネットより転載

◎共同体の維持に配慮
 ―東日本大震災の発生から1カ月がたつ。
 「未曽有の惨事ということに尽きる。避難所生活を余儀なくされてい
る人々だけでなく、4万4000人の市民全員が被災者だった。発生直
後はガソリンが足りず、食べ物も手に入れにくくなり、非常に苦慮し
た。国にしっかり対応してもらいたかった」
 「被害は広域で発生し、地域防災計画の想定をはるかに上回った。
災害時協定も締結していたが、締結先の本部のある仙台市が被災
し、食料、毛布などの提供をなかなか受けられなかった」
 ―沿岸の産業復興に向けてどう取り組むか。
 
<中小支援拡充を>
 「二野倉、矢野目両地区にある工業団地は壊滅的な被害を受けた
が、企業は復興の意思を示している。日本製紙、フジパンなどが再起を目指すのは、市民を前向きな
気持ちにさせてくれる。ただ現状では、国による中小企業の災害復旧支援メニューが乏しい。中小企
業が存続できるよう支援策を拡充してほしい」
 「基幹産業の農業は守らなければならない。農地だけで370億円程度の被害になると試算され、簡
単には復元できない。農業を今後も営むかどうかを選択してもらわないといけない。意欲を持ってもら
うためには、農業を再開できるまでのつなぎの仕事が必要だ」
 ―国に求める支援策は。
 「最も海沿いとなる貞山堀東側地区をどうするのかが復興計画の一つの柱になる。視察に訪れる国
会議員には国有地化して防潮堤、防砂林の用地に活用してほしいと訴えている。売却で得た資金は
被災者が自立する財源とすることもできる」
 ―家を失った被災者をどう支援するか。
 
<家賃補助も検討>
 「友好都市の尾花沢市から宿泊場所提供の申し出があった。2次避難の意向を聞いているが、岩沼
を離れたい人は少ない。仮設住宅や県営住宅を希望する人全てが入居できるようにしたい。仮設住
宅では地域コミュニティーを継続できるよう配慮する。既に賃貸住宅に入った被災者には家賃補助も
検討している」
 「被災地区の中には集団移転したいという所もある。多くの人がそういう意見なら実現できるよう努
める。復興計画に各地域の将来像を描くに当たっては、住民の声を反映させる」
 ―具体的な支援策は。
 「仮設住宅の入居期間は2年間。その間に、ついのすみかを確保してもらいたい。住宅を建てる場
合はいずれ配分される見舞金、義援金に加え、融資制度や利子補給制度を創設して支援したい」
(聞き手は小木曽崇)
◆死者166人/不明15人
 主な被害状況(9日現在) 死者166人、行方不明者15人。避難者は3カ所に585人。水道の復旧
率は98.5%。電気は東部地区の一部を除いて復旧した。
2011年04月10日日曜日

by the-road-of-japan | 2011-04-10 10:04 | ♦被災市町村長のメッセージ


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